夫は「横領」の自覚がなかった|「悪気がない」が一番怖かった話
こんにちは、ハナです。
前回までの記事
夫の借金が発覚した日のこと|総額1200万円を知った妻の実体験
CICとJICCで信用情報を開示した話|夫の借金650万が発覚した日|堅実ママの借金リセット日記
前回までの記事で、夫の借金発覚からCIC・JICCの信用情報開示までをお話しました。今回は、その先——夫が会社への仮払いを同僚に流していたことが判明し、「横領」という言葉が現実になった時のことを書きます。
目次
- 「仮払いが精算できない」という告白
- 不思議と、冷静だった
- 夫は帰国前に、自分で会社に報告していた
- 私が返済計画書を作った
- 4月中旬、精算金が280万円に確定
- 「横領」という言葉の重さ
- 覚悟を決めた瞬間
「仮払いが精算できない」という告白
帰国する前のことです。ホテル代が払えないと察した夫から、電話で白状が始まりました。
「会社への出張精算分も、同僚に貸してしまって返せない状態になっている」
静かに、でもはっきりとそう言われました。
仮払いというのは、出張前に会社から立て替えてもらうお金のことです。出張後に領収書と一緒に精算するのが通常の流れですが、その精算分のお金を、夫は同僚に渡してしまっていた。
金額は280万円。
これはもう、個人の借金の問題ではありません。会社のお金を私的に流用した——どう考えても横領です。
不思議と、冷静だった
この事実を聞いた瞬間、絶望や怒りより先に、不思議なほど冷静な自分がいました。
「それ横領ですよ?」と伝えても、本人にはその感覚がない。同僚のホテル代などを「立て替えた」という認識でいるから、悪いことをしたつもりがないんです。その感覚のズレが、ある意味一番恐ろしかった。
泣いたり怒鳴ったりしなかった。
なぜかはわかりません。もしかしたら、「やっぱり私の不信感は間違いではなかった」と、ある意味納得してしまったからかもしれない。この時点ではまだ全容も把握しきれていなかった。それでも頭の中では、次々と「やるべきこと」が浮かんでいました。
- 会社へ報告してしまった以上、横領として扱われるだろう
- 返済はどう進めるか
- 夫のローンは通るだろうか
- 金利は安く借りられるか
この時点では、まさか私がローンを組むことになるとは思っていませんでした。
感情より先に、段取りが動いていた。これが私の性分なんだと思います。
夫は帰国前に、自分で会社に報告していた
夫は、帰国する前にすでに上司へ報告を済ませていました。
この点だけは、人として最低限の行動はとったと思っています。ただ、先に私へ相談してくれていれば、期日までに手を打てて、ここまで大事にならずに済んだかもしれない。夫の感覚のズレが、やはり残念でなりません。
隠蔽しようとせず、自分の口で話した。ただ、その報告の内容が少し問題で——「同僚が返済してくれないから、自分も精算できない」という説明だったようです。横領を認めたというより、被害者のような言い方。
会社側からの回答は、「とにかく精算金を返済することだけを今は考えてください」というものでした。
この時点では、解雇という言葉は一切出ていませんでした。返済計画書を提出し、誠実に対応すれば、このまま穏便に収まると思っていた。
精算金の確定は4月中旬。それまでに返済の見通しを示す必要がありました。
私が返済計画書を作った
計画書を作ったのは、私です。
夫に任せていたら、どんな計画書ができあがるかわからない。そもそも夫のローン審査はすでに落ちていた。だったら私が主導権を持って動くしかない。
4月帰国後、返済計画書を作成・提出しました。
内容はこうです。
- 精算金の確定(4月中旬)後に本審査を行う
- 私名義でローン申込済み・仮審査通過済み
- ローン承認後、一括返済予定
- ローンが通らなかった場合は、まず50万円を先払いし、その後月5万円の分割返済
ローンが通らない可能性も想定して、最悪のケースまで計画書に盛り込みました。上長にも確認してもらい、本社へ提出しました。
4月中旬、精算金が280万円に確定
精算金が確定しました。280万円。
前回の出張時のデポジットトラブルで未払いになっていた分も含まれていました。
この金額を受けて、私は450万円のローンの本申込をしました。返済分と私が立て替えたホテル代の支払いとして。50万円は貯蓄から支払うことにしました。
金利は9.9%。
現金主義の私にとって、これだけでも屈辱でした。
精算金確定後の次の日、本審査通過の証拠スクリーンショットを会社へ提出。
本審査の5日後、ローン入金。夫が会社へ支払い完了。
数字だけ書くとあっさりしていますが、この10日間は本当に濃密でした。
毎日何かの手続きがあって、確認しなければいけないことがあって、書類を作って、送って。
仕事をしながら、家事をしながら、義母にも心配をかけないよう、何も気取られないように普通に振る舞いながら。
「横領」という言葉の重さ
返済が完了して少し落ち着いた時に、改めてその言葉の重さを感じました。
横領。
夫はきっと「同僚のために立て替えただけ」という感覚だったと思います。でも会社のお金を、会社の許可なく他者に渡せば、それは横領です。
意図がどうであれ、結果がそうなら、そう呼ばれる。
「自分は悪いことをしていない」という感覚が、一番怖いと思いました。
悪意がないからこそ、歯止めが効かなかった。同僚が毎月きちんと返済してくれていたから、「いずれ戻ってくるお金だ」と思い込んでいた。
でも会社のお金は、個人が勝手に融通していいものではない。
この認識のズレを埋めるのに、一番時間がかかりました。
覚悟を決めた瞬間
返済が完了した日の夜、夫にひとつだけ言いました。
「私が動けたのは今回だけだから」
黒字家計を維持して、現金主義で生きてきた。だからこそ、いざという時に私名義でローンを組む信用が残っていた。
次はない。
夫はうなずいていました。言葉は少なかったけれど、あの表情は本気だったと思っています。
今は、繰り上げ返済を目標に、5年で完済するという計画に向かって、同じ方向を向いて歩いています。
次回は、その後に突然訪れた「解雇」の話を書きます。返済が完了してわずか10日後のことでした。
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